日本では昔から妊娠5カ月の『いぬの日』に腹帯(はらおび)を巻く「着帯の儀」という儀式がありました。これは安産祈願として現在も行われている方がいらっしゃいます。

 ところが今日では、腹帯(はらおび)やコルセット・ガードル・はらまきなどでおなかをしめるのはよくないことがわかってきました。
妊娠後期になって、大きくなった子宮をからだの後ろの方、つまり背骨のほうへおしつけると大動静脈、腎動脈、自律神経節などを圧迫して妊娠中毒症をおこしやすくなるのです。ですから、皆さんどうか腹帯(はらおび)やガードルなどはしないようにしてください。

 特に初めての出産を迎える妊婦さん、高齢の妊婦さん、太りぎみの妊婦さん、前回妊娠中毒症になった妊婦さんは、腹帯(はらおび)は絶対にいけません。

 ウシやウマは人間と同じ哺乳類の動物ですから、子宮と背骨と大血管の位置関係はほぼ同じです。ところがウシやウマは四つ足で生活しますから、妊娠子宮は重力によって下にたれ下がった形となって、大血管は圧迫されません。ですからウシやウマには妊娠中毒症はないのです。でも、コアラやパンダは二本足で立つこともでき、座って生活することも多いので、妊娠中毒症になることがあるのです。