① なぜ「へその緒」を大切に保管するの?

A.まず、「へその緒」についてご説明いたします。

へその緒とは、おなかの中の赤ちゃん(胎児)のへそについている、細長いチューブ状の組織のことで、お母さん(妊婦)の子宮についている胎盤につながっています。その細長いチューブを通して赤ちゃんは酸素や栄養をお母さんからもらっています。

 おなかの赤ちゃんは、羊水の中で生活していますので、鼻や口で呼吸することはありません。へその緒は、赤ちゃんが産まれ産声をあげ、呼吸することでその役目を終えます。

 では、なぜへその緒を大切に保管するのでしょうか? それは、日本の各地にある、古くからの言い伝えによるものです。 あるところでは、その子の九死に一生という場合に、へその緒をけずって飲ませると、一度は必ず治るといういい伝えがあります。

 またあるところでは、へその緒を紛失すると、その子の運命が弱くなる、病弱になる、物覚えが悪くなると言われ、へその緒を生命力とは切っても切れないものとして伝承しています。
自分のものでなく、兄弟姉妹のへその緒を持つことによって、魔除け、お守りになると言われている地域もあります。

 そのため、昔からへその緒は乾燥させてから産毛とともに紙に包んで桐の箱に入れ、その箱の表に子どもの姓名・誕生年月日・両親名を記入して神棚に供えました。そして子どもが成人するまでは守り神として大切に保存し、子どもが大人になってからは、男子なら戦争にいくときに、女子ならお嫁に行くときなどに本人に持たせました。

 現在では、へその緒はお母さんのおなかの中にいた証として、お母さんと赤ちゃんの絆の象徴として、出産の記念として大切に保管されています。


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