40〜50歳代は妊娠の可能性が徐々に低下する一方、閉経が確定するまでは妊娠が起こり得る年代です。 同時に、年齢とともに血栓症リスクが上昇するため、避妊方法の選択には注意が必要です。
この年代で特に推奨されるのが、
- ミレーナ(子宮内システム Intra Uterine System:IUS)
- スリンダ(プロゲスチン単剤ピル Progestin Only Pill:POP)
の2つです。
1. ミレーナ(IUS)|血栓症リスクゼロ・5年間有効
ミレーナは子宮内に装着するレボノルゲストレル放出型の避妊薬です。
◎メリット:
- 血栓症リスクゼロ(エストロゲンを含まない)
- 避妊効果は99%以上
- 月経量が大幅に減る
- 月経痛・過多月経の改善
- 1度の装着で最長5年間有効
- 月経困難症・過多月経の方は保険適応
◎デメリット:
- 装着時の痛み
- 装着後数か月の不正出血
- 装着直後の下腹部痛・違和感
- ミレーナの脱出(自然脱落)
- まれに、子宮穿孔・骨盤内炎症性疾患・異所性妊娠
- 出産経験がないと入れることが難しい
◎向いている方
- ピルの血栓症リスクが気になる方
- 出産経験のある方
- 月経量が多い・月経痛が強い方
- ピルを忘れずに毎日1錠ずつ続ける自信がない方
- 喫煙・高血圧・肥満などでこれまでのピルが使いにくい方
2. スリンダ(POP)|血栓症リスクが低い飲み薬
スリンダは「Progestin-Only-Pill : POP」プロゲスチンのみの避妊ピルです。
◎メリット:
- 血栓症リスクを上げない(これまでのピルと異なりエストロゲンを含まないため)
- 年齢制限がなく、閉経前であれば年齢に関係なく服用可能
- 喫煙者・高血圧・肥満・脂質異常症・前兆を伴う片頭痛の方でも使用可能
- 月経困難症・PMS・ニキビ・むくみ・高血圧予防にも一定の効果
- 1日1回1錠で避妊効果を維持
◎デメリット:
- 不正出血が多い(40~50%)
- 消退出血(月経)が来ないことがある(30~40%)
- 頭痛・吐き気が出ることがある(飲み始めのトラブル)
- 飲み忘れると避妊効果が低下
- これまでのピルと比較すると値段が高い
◎向いている方
- ピルを続けたいが血栓症が心配な方
- ミレーナを子宮の中に入れる事に抵抗がある・心配な方
- 喫煙者・高血圧・肥満・脂質異常症・前兆を伴う片頭痛の方など、これまでの低用量ピルが使えない方
- 月経困難症・PMSなどの月経トラブルを改善したい方
3. なぜ40〜50歳代では「ミレーナ・スリンダ」が推奨されるのか?
- 年齢とともに血栓症リスクが上昇ため:エストロゲンを含有するこれまでのピルは、深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスクを上げることが知られています 。これまでのピルは40歳以上では日本産科婦人科学会でも慎重投与とされ、50歳で中止が推奨されます。
- ミレーナ(IUS)・スリンダ(POP)は血栓症リスクを上げない
- スリンダはプロゲスチン単剤のピルであるため、喫煙者・高血圧・肥満・脂質異常症・前兆を伴う片頭痛の方など、これまでの低用量ピルが使えない方でも使用可能です 。
- ミレーナは月経トラブルにも有効:過多月経・月経痛の改善効果が高く、QOL向上にも役立ちます。
- コンドームは失敗率が高い(失敗率18%)
- 腟外射精は失敗率がさらに高い(失敗率22%)
4. 40〜50歳代の避妊選びのポイント
✔ 40歳以上の避妊の失敗、望まない妊娠、人工妊娠中絶は意外に多いです。閉経するまでは妊娠する可能施があります。確実な避妊を心掛けましょう。
✔ 40歳以上の方は血栓症のリスクが高くなるので、これまでのエストロゲンを含有しているピルは避けたほうがよいでしょう
✔ コンドーム・腟外射精は失敗率が高く、望まない妊娠につながりやすい避妊法です。
5. 当院で人気の避妊プラン
- 第一選択:ミレーナ(IUS)
「避妊+月経痛改善+血栓症リスクゼロ」を同時に叶えるため、40〜50代で最も選ばれています。
- 第二選択:スリンダ(POP)
「ピルを続けたい」「生理を整えたい」という方に最適です。
6. まとめ
40〜50歳代の避妊は、安全性を最優先に考える必要があります。 血栓症リスクを避けながら確実な避妊を続けたい方には、 ミレーナ(IUS)とスリンダ(POP)が最も適した選択肢です。