更年期障害の治療として行うホルモン補充療法(HRT)では、女性ホルモン(エストロゲン)を補うことで症状の改善が期待できます。しかし、エストロゲン単独で治療を行うと、子宮内膜が厚くなり子宮体がんのリスクが高まるため、黄体ホルモンを併用して内膜の増殖を抑える必要があります。
黄体ホルモンには
- 合成黄体ホルモン:プロベラ・デュファストン
- 天然型黄体ホルモン:エフメノ
の2種類があります。
当院では、より安全性が高く、長期的に安心して続けられる天然型黄体ホルモン「エフメノ」を中心に処方しています。
[エフメノ(天然型黄体ホルモン)を選ぶ理由]
エフメノは、体内で作られる黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ構造を持つ「天然型」の薬剤です。 乳がんの発生リスクに影響しないことが分かっており、HRTを安全に続けたい方に適した選択肢です。
また、エフメノは
→「GABA(抑制性神経伝達物質)」の働きを強め
→脳の興奮が抑えられ
→不安が和らぐ
→入眠しやすくなる・ノンレム睡眠(深い睡眠)が増える
→睡眠の質が良くなる
という副効用も期待できます。
補足:サプリメントのGABAとの違い
「サプリメントとして経口摂取されたGABAは脳に届く量が限られており、効果は限定的とされています。一方、エフメノは脳内で直接GABA作用を増強するため、メカニズムとしてはより確実です。」
さらに、天然型のため体へのなじみが良く、気分の落ち込み・むくみ・頭痛 などの副作用が出にくいことも特徴です。
[合成黄体ホルモン(プロベラ・デュファストン)との比較]
1. 成分の比較
- プロベラ・デュファストン:合成黄体ホルモン 人工的に作られた黄体ホルモンで、受容体への作用が強く出ることがあります。
- エフメノ:天然型黄体ホルモン(プロゲステロン) 体内のホルモンと同じ構造で、より自然な働きをします。
2. メリット・デメリットの比較
- プロベラ・デュファストン(合成)
メリット
比較的安価(プロベラ薬価14.9円/錠 デュファストン薬価23.3円/錠)
内膜抑制作用が強い
月経不順などHRT以外の治療にも使用される
デメリット
乳がん発生に影響する可能性がある
むくみ・気分変化などの副作用が出やすい
長期使用には慎重さが必要
- エフメノ(天然型)
メリット
乳がん発生リスクに影響しない
GABA(抑制性神経伝達物質)の働きを強め、睡眠の質が良くなる
体にあるホルモンと同じため自然な作用
副作用が比較的少ない
長期のHRTに向いている
デメリット
合成薬より価格が高い(エフメノ薬価229.3円/錠)
眠気、めまいが出ることがある(個人差)
服用する時間が就寝前に限られる
[当院からのメッセージ]
当院では、「安全性」と「安心して続けられる治療」を最優先に考え、天然型黄体ホルモンであるエフメノを中心に処方しています。 更年期症状は一人ひとり異なりますので、治療内容について不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。