インフルエンザワクチンについて
インフルエンザワクチンの効果
接種して約2週間後から効果が表れ、5ヵ月程度続くと考えられていますので、インフルエンザの流行する少し前の10月~11月末までに接種することをおすすめします。 2回接種の場合は、1回目から1~4週間(免疫効果を考慮すると4週間が望ましい)あけて2回目を接種します。(6ヵ月以上13歳未満は、2~4週間間隔)
インフルエンザワクチンの主な目的は重症化を防ぐことです。ワクチンを接種してもインフルエンザの発症を完全に防ぐことができるわけではありません。マスク着用、換気を行う、人ごみを避ける、手洗いやうがいをこまめにするなど、基本的な予防は忘れないようにしましょう。
インフルエンザワクチンの接種回数
インフルエンザワクチンの予防効果は、成人の場合1回接種では発症予防効果が64%、2回接種だと94%とされていますので、感染予防としては2回接種の方がより望ましいと言えます。しかしインフルエンザに罹患したときの死亡予防効果は1回接種でも80%であると言われていますので、ワクチンを接種しないよりは、1回でも接種したほうがよいでしょう。
13歳未満のお子さんは、インフルエンザに対する免疫力が少ない可能性が高く、2回接種することが必要です。65歳以上の方や喘息など持病のある人や妊娠中の方、また受験生やどうしても仕事を休めない職業の人もインフルエンザワクチンは2回接種がよいでしょう。妊娠中・授乳中の方がインフルエンザワクチンを接種しても問題ありません。
妊娠中のインフルエンザワクチンについて
妊娠している人は、一般の妊娠していない人に比べて、インフルエンザに感染した場合、肺炎などを合併しやすく、基礎疾患がある方と同様に重症化しやすいことが明らかとなりました。
WHO(世界保健機構)は、「妊娠28週以降の妊婦は特に重症化の危険が高い」、「妊婦はそうでない一般集団より集中治療室を必要とする確率が10倍高い」という声明を発表しています。
日本で使用されるインフルエンザワクチンは、生ワクチンではないので重篤な副作用は起こらないと考えられ、一般的に妊娠中のすべての時期において安全であるとされています。さらに、妊娠初期に従来のインフルエンザワクチンを接種しても、流産や先天奇形のリスクがないという研究結果もあります。
アメリカの予防接種諮問委員会Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)による勧告では、インフルエンザシーズン中に妊婦である女性のインフルエンザワクチン接種を妊娠週数に関わらず推奨しています。
母体の免疫が胎盤を介して児へ移行することにより、出産した赤ちゃんも出生時に既に感染防御に十分な免疫を獲得していることが証明されています。 従って、妊娠中のインフルエンザワクチン接種は、妊娠中のお母さんにも生まれてくる赤ちゃんにも有用だと考えられます。