淋菌感染症とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による性感染症です。淋病とも言われています。淋菌はセックス・オーラルセックスで感染します。感染力が強く、感染が拡大しやすい病気です。性器クラミジア感染症とともに頻度の高い性感染症です。
症状
女性は、無症状のことが多いです。そのため潜伏期間もはっきりしません。
- 黄色・緑黄色のおりもの
- おりもののにおい
- おりものが増える
- 不正出血
- 下腹部痛
- 性交時出血
- 排尿痛
- 尿道から膿がでる
- バルトリン腺の腫れ痛み
- 流産・早産・前期破水・子宮外妊娠・不妊症などの原因になることもあります。
- 出産時に赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが結膜炎を起こすこともあります。
- オーラルセックスによりのど(咽頭)に感染すると、のどの違和感・腫れ・痛みを感じることもありますが、ほとんど無症状です。
男性は、感染後2~7日の潜伏期間の後、排尿時・勃起時の激しい痛み、尿道から膿が出る、睾丸が腫れて痛むなどの症状が出ますが、無症状のこともあります。
治療
ロセフィン1g 点滴静注 単回投与
※現在、経口抗菌薬は耐性菌が出現しており無効例が多く、治療が失敗となることがありますので、推奨されていません。
※治療後3~4週間後に治ったかどうか再検査を受けてください。
※セックスパートナーの治療も必ず行ってください。セックスパートナーの治療を行わないと再感染が起こります。
※感染予防には、コンドームの正しい使用が大切です。

【ちょっと気になる「淋病の雑学」コラム】
1. 淋病は“人間にしかうつらない”病気です
淋病の原因となる淋菌は、実は 人間にしか感染できない細菌です。動物には感染しないため、研究モデルが作りにくく、ワクチン開発が難航しています。
2. 何度でも再感染します
淋菌は 抗原変異(表面構造を頻繁に変える)能力が非常に高く、免疫が記憶しにくいため 終生免疫がつかないので何度でも感染します。
3. 昔は「精液が漏れる病気」と思われていました
英語で淋病は gonorrhea(ゴノリア) と呼ばれます。 これは古代ギリシャ語で「精液が流れ出る」という意味。 当時は膿と精液の区別がつかず、誤解からこんな名前になりました。
4. 日本語の“淋病”の「淋」は、ポタポタの意味
「淋」はさびしいの意味の淋ではなく、“滴り落ちる・ポタポタ出る”という意味の漢字です。排尿が少しずつしか出ない症状から、この名前がつきました。
5. のどに感染しても、ほとんど症状が出ません
淋病は性器だけでなく、オーラルセックスでのどにも感染します。ところが、のどの淋病はほとんど症状が出ないため、本人が気づかないまま他の人にうつしてしまうことがあります。
6. 女性は症状が出にくいので、気づきにくい病気です
男性は排尿痛や膿が出るなど、比較的わかりやすい症状が出ます。一方、女性は 軽い違和感だけで終わることが多く、気づきにくいのが特徴。そのため、検査で初めてわかるケースが少なくありません。
7. クラミジアと“同時に感染”していることが多い
淋病が見つかった方の 20〜30%はクラミジアも同時に感染しています。症状が似ているため、どちらかだけ治療すると治りきらないことも。そのため、両方の検査をセットで行うのが一般的です。
8. 昔は新生児の失明の原因でした
出産時に赤ちゃんの目に感染すると、 重い結膜炎を起こし、失明につながることがありました。 現在は妊婦健診で検査が行われるため、ほとんど見られなくなりました。
9. 治療は“1回の点滴”で終わります
淋病は、現在は セフトリアキソン(ロセフィン)という抗菌薬を1回点滴するだけで治ります。 飲み薬では治りにくいため、注射が標準治療になっています。
10. 実はとても感染力が強い病気です
1回の性行為で感染する確率は 約30% と言われています。 「ちょっとだけだから大丈夫」という油断は禁物です。コンドームを必ず使用しましょう。
11. 温泉・銭湯などでうつることはほぼありません
感染力が強いといっても淋菌はとても弱い菌で乾燥・温度変化・日光に弱く、人体外では短時間で死滅します。そのため、空気感染・飛沫感染は起こりません。感染は基本的には SEXなどの粘膜同士の直接接触のみです。