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性器ヘルペス

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウィルス(HSV)の感染により性器やその周辺の組織に浅い潰瘍(皮膚・粘膜のただれ)、水疱性病変(水ぶくれ)ができる病気です。

感染経路

  • 幼少期にHSV感染者から唾液等を通じて口唇・口内に感染
  • 思春期以降にHSV感染者からセックスにより性器に感染

症状

初発

初めての症状が出たものを初発といい、初めてHSVに感染して発症した「初感染初発」と、すでに潜伏感染していたHSVの再活性化による発症の「非初感染初発」があります。

初感染初発

セックスなどの性的接触後、2~10日間の潜伏期をおいて比較的突然発症します。性器およびその周辺に赤いブツブツができ、水ぶくれになり、それが破れて潰瘍を形成します。

自覚症状としては、外陰部のヒリヒリ感、むずがゆさ、灼熱感、激しい痛みが出現します。強い痛みのため排尿困難・歩行困難となることもあります。
また、37~39℃の発熱や頭痛、倦怠感がみられることもあります。鼠径部リンパ節の腫れ・痛みを伴うことが多くあります。

放置すると約2~4週間症状が続きますが、治療すると約1週間で治ります。

非初感染初発

過去に初めて感染したときは無症状であったものが、何らかの原因で免疫力が低下して潜伏していたHSVが再活性化し症状が発現したものです。初感染初発よりも症状は軽く、早く治ることが多いです。

再発

HSVは感染すると、神経を伝って腰仙髄神経節の神経細胞に棲みついてしまいます。これを潜伏感染といい、HSVの特徴です。

潜伏感染の状態では何も症状はありません。ところが何らかの刺激があると、HSVが再活性化し神経を伝って再び皮膚・粘膜に出てきて病変が出現します。これが再発です。再発の症状は軽く、小さい潰瘍・水疱性病変が1~数個認められるだけのことが多いです。また、再発の前兆として性器の違和感やピリピリした軽い痛みを感じることもあります。

再発の誘因

疲労・ストレス・免疫力低下・強い日差し・紫外線・多量の飲酒・月経前など。

治療

抗ウィルス化学療法(バルトレックス500mg1日2回、5日間服用

抗ウィルス剤(アラセナA軟膏1日3~4回塗布

再発抑制療法

おおむね年6回以上再発を繰り返す方の治療法。
バルトレックス500mgを毎日1錠ずつ1年間服用して、ヘルペスウィルスの増殖を抑え、再発を少なくする治療法です。

再発に備える治 PIT:Patient Initiated Therapy

おおむね年3回以上再発を繰り返す方でピリピリなどの初期症状を判断できる方の治療法。
初期症状を感じたら速やかに(6時間以内)ファムビル錠250mg4錠服用、12時間後に4錠服用します。

注意事項

※性器ヘルペスは何度も繰り返し再発することが多いので、再発の誘因に注意しましょう。

※再発がストレス・精神的苦痛が大きい場合は、「再発抑制療法」「再発に備える治療 PIT:Patient Initiated Therapy」がおすすめです。

※症状のない感染者(無症候性感染者)も多く、感染者自身も気づかないままウイルスを排出しており、人にうつしてしまうことがあります。感染を防ぐため必ずコンドームを使用してセックスしましょう。

※口唇ヘルペスが性器に感染して、性器ヘルペスを発症することもあります。オーラルセックスの時もコンドームを使用しましょう。