電話によるお問い合わせ

電話受付は診療時間内

電話をかける

一般外来

最終受付 午前12時まで / 午後7時まで

診療時間
AM 9:30 - 12:30
PM 4:30 - 7:30

休診日:木曜午後・日曜日・祝日

※土曜日午後の診療は、学会等のため休診になる場合があります。

母乳外来・助産師外来

最終受付 午前12時まで / 午後7時まで

診療時間
AM 9:30 - 12:30
PM 4:30 - 7:30

休診日:木曜日・日曜日・祝日

※土曜日午後の診療は、学会等のため休診になる場合があります。

よくある疾患性感染症

よくある疾患一覧へ

診療時間

外陰腟カンジダ症

Vulvovaginal Candidiasis:VVC

1.原因

  • Candida 属真菌の異常増殖(多くは Candida albicans)
  • カンジダは腟・消化管・皮膚の常在菌で、存在するだけでは病気ではない
  • 自浄作用(乳酸菌による腟内pH維持)が乱れると増殖しやすくなる

✔ 発症しやすくなる要因

  • 抗生物質使用後(菌交代現象)
  • 妊娠、糖尿病、免疫低下(ステロイド・化学療法など)
  • 通気性の悪い下着・局所の湿気
  • 不適切な自己洗浄
  • 性行為は「誘因」になり得るが、いわゆる性感染症ではない

2.症状

  • 外陰部・腟の強いかゆみ(最も典型的)
  • 痛痒い
  • 灼熱感(焼けるような痛み)
  • 白色で酒粕状・ヨーグルト状・カッテージチーズ状の帯下(おりもの)
  • 外陰部の発赤・腫れ・掻痒による傷

3.治療

日本のガイドライン

  • 局所アゾール系(クロトリマゾール腟錠6日間投与など)が first choice(第一選択)
  • フルコナゾール(ジフルカン)150mg単回内服は 代替選択肢→ 局所薬と同等の効果があるとされる ※ 妊娠中は使用不可

IDSA(Infectious Diseases Society of America:米国感染症学会)
CDC(Centers for Disease Control and Prevention:米国疾病対策センター)
のガイドライン

  • 局所アゾール系(エンペシド・フロリード・オキナゾール)腟錠・クリーム
  • フルコナゾール(ジフルカン)150mg単回内服 → どちらも first-line option(並列の第一選択肢)、つまり海外では「どちらも第一選択薬」。

外用薬

ニゾラールクリーム10g 1日1回
湿疹・外陰皮膚炎を合併時にはロコイド軟膏5g 1日3回

年4回以上繰り返す場合

ジフルカンカプセル150㎎ 経口週1回 6か月連続投与
※自費:870円税込/週1回分

4.予防

  • 外陰部を乾燥・清潔に保つ(蒸れを避ける)
  • 通気性の良い綿の下着を着用
  • 抗生物質の不必要な使用を避ける
  • 糖分の摂りすぎ・アルコール飲料の摂りすぎに注意
  • 糖尿病の血糖コントロールを適切に行う
  • 妊娠中は分娩前に治療し、産道感染を予防
  • 刺激性の石鹼の使用を中止(コラージュフルフル泡石鹼がお勧め)
  • 整腸剤(ビオスリー)にて腸内環境を改善
  • 急性期の性交渉は避ける

【酪酸菌(宮入菌)と腟内フローラの関係】

腸内環境と腟内環境は密接に影響し合うことが近年の研究で明らかになり、「腸‐腟相関(gut–vagina axis)」として注目されています。 腸内の善玉菌が減ると腟内の乳酸菌も減少しやすく、腟トラブルの再発につながることがあります。

その腸内環境を整える善玉菌の一つが 酪酸菌(宮入菌) です。

[酪酸菌(宮入菌)とは]

酪酸菌は腸内で酪酸(短鎖脂肪酸)を産生する善玉菌で、

  • 腸内を酸性に保つ
  • 悪玉菌の増殖を抑える
  • 大腸のエネルギー源となる
  • 便通を整える

など、腸内環境の改善に重要な役割を果たします。

酪酸菌は芽胞を作るため胃酸に強く、生きたまま腸まで届くという特徴があります。

[腸内環境が膣内フローラに影響する理由]

腟内フローラの主役は Lactobacillus(乳酸桿菌) で、腟を弱酸性に保ち、病原菌の侵入を防ぎます。 しかし、乳酸菌は腸から腟へ移行することが知られており、腸内環境が乱れると腟内の乳酸菌も減少しやすくなります。つまり、腸内環境を整えることは、腟内環境を整えるための重要な土台 です。

[酪酸菌が婦人科領域に与えるメリット]

1. カンジダ症の再発予防

腟カンジダ症は、腟内の乳酸菌が減少すると発症しやすくなります。 酪酸菌は腸内の善玉菌バランスを整えることで、 腟内乳酸菌の回復を間接的に支え、再発予防に役立つ可能性があります。

2. 細菌性症(BV)の改善サポート

BVは腟内の乳酸菌が減り、嫌気性菌が増えることで起こります。 腸内の嫌気性菌が増えると腟にも悪影響が出やすく、酪酸菌による腸内環境の酸性化は BVの再発リスク低減に寄与する可能性があります。

3. 妊娠中の内環境の安定

妊娠中はホルモン変化で膣内フローラが乱れやすく、早産・絨毛膜羊膜炎 などのリスクと関連します。

腸内環境を整える酪酸菌は、 妊娠中の腟内フローラの安定に役立つ可能性があり、妊婦の腸活として注目されています。 (※妊娠中の整腸剤使用は必ず医療者の判断が必要です)

[酪酸菌を含む整腸剤]

  • ミヤBM錠:酪酸菌20mg
  • ビオスリー配合錠:酪酸菌10mg+乳酸菌2mg+糖化菌10mg

糖化菌は乳酸菌・ビフィズス菌の増殖を助け、腸内環境改善をさらに後押しします。

[腸内環境を整える方法]内フローラにも有効)

プレバイオティクス(善玉菌のエサ)prebiotics

  • 発酵食品(納豆・味噌・漬物・チーズ)
  • オリゴ糖(根菜類・バナナ・りんご・牛乳)
  • 食物繊維(豆類・きのこ・海藻)

プロバイオティクス(善玉菌そのもの)probiotics

  • 酪酸菌(宮入菌)
  • 乳酸菌
  • ビフィズス菌

シンバイオティクス(プレ+プロの併用)synbiotics

「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」を組み合わせて摂る方法は「シンバイオティクス synbiotics」と呼ばれ、いま注目されている腸活法です。「syn」とは「一緒に」という意味です。腸内環境改善の相乗効果が期待でき、 腟内フローラの安定にも有効とされています。

【まとめ】腸を整えることは腟を守ること

腸内環境が整うと腟内の乳酸菌も育ちやすくなり、腟カンジダ症や細菌性腟症の再発予防につながります。酪酸菌は腸を整える善玉菌の一つで、婦人科領域でも注目されています。