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よくある疾患性感染症

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腟トリコモナス症

腟トリコモナス原虫(Trichomonas vaginalis)による性感染症です。腟トリコモナス原虫は、腟以外にも子宮頸管、尿道、膀胱、バルトリン腺などにも入り込みます。主にSEXで感染しますが、性交経験のない女性や幼児でも感染者が見られることから、他の感染経路、下着やタオルや便器や浴槽を通じた感染などが知られています。

症状

  • 悪臭の強い、泡沫状の緑黄色のおりもの
  • 外陰・腟の刺激感、強いかゆみ

感染後の潜伏期間は、10日前後。その後も20~50%は無症状ですが、その3分の1は6か月以内に症状が出ます。

妊娠中では、前期破水・早産の原因となることがあります。フラジール腟錠10日間投与にて治療いたします。

男性の場合はほとんど無症状で、症状があっても尿道の軽いかゆみや違和感程度のことが多いです。

治療

経口薬による全身投与

フラジール錠1回1錠 1日2回 10日間服用

腟錠

フラジール腟錠1回1錠 1日1回 10日間投与

(原則として妊婦の治療は、経口薬を避け腟錠で治療します)

セックスパートナーとのピンポン感染を防ぐため、パートナーも内服薬投与にて同時に治療する事が原則です。

フラジール投与中の飲酒により、腹部の仙痛、嘔吐、潮紅などが現れることがあるので、 投与中および投与後3日間の飲酒は避けるようしてください。

腟トリコモナス症は、再発を繰り返しやすい病気です。再発は、トリコモナス原虫の残存によるもの、隣接臓器からの自己感染、パートナーからの再感染などが原因です。
治療後は、次回月経後に自覚症状の消失とトリコモナス原虫の消失を確認し、治ったことを確認することが大切です。

感染対策

  • コンドームを使用する
  • 不特定多数との性交渉を避ける

2016年のWHOの報告では、全世界で一番多い性感染症は腟トリコモナス症でした!
日本で一番多い性感染症はクラミジア感染症ですが、実は日本でも腟トリコモナス症もっと多いのかもしれません。要注意です。