原因・メカニズムをわかりやすく解説
50歳前後(更年期・閉経前後)に起こる不正性器出血は、多くがホルモンバランスの変化によるものです。
しかし、この年代は子宮内膜の病気(子宮内膜増殖症・子宮体がん)が増える時期でもあるため、正確な診断が大切です。
こちらでは、50代前後の不正出血の主な原因とメカニズムを、患者さん向けにやさしく解説します。
■ 50代前後に不正出血が増える理由
閉経が近づく時期(周閉経期)は、女性ホルモンの分泌が大きく揺らぎます。
その結果、月経周期が乱れたり、予定外の出血が起こりやすくなるのが特徴です。
特に多いのが「無排卵周期」による出血です。
■ 【最も多い原因】無排卵周期による不正出血
50歳前後では、排卵が起こらない月が増えてきます。
すると、体の中では次のような変化が起こります。
● 無排卵 → プロゲステロンが出ない
排卵がないと、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されません。
● 子宮内膜が不安定に増殖
プロゲステロンがないと、子宮内膜が整わず、厚くなったり不安定な状態になります。
● 内膜が予定外に剥がれて出血
不安定な内膜は、月経とは関係なく
「少しずつ剥がれる」「急にまとまって剥がれる」
といった形で出血します。
これが、50代前後でよく見られる
「ホルモンのゆらぎによる不正出血」です。
■ その他の原因(50代で増える疾患も含む)
● 子宮内膜ポリープ・子宮筋腫
子宮内にできものがあると、内膜が刺激されて出血しやすくなります。
● 子宮頸部の病変(炎症・ポリープ・子宮頸がん)
性交後出血や少量の持続的な出血が見られることがあります。
● 性感染症
クラミジア感染症や淋菌感染症など。
● 萎縮性腟炎(閉経前後に多い)
エストロゲン低下で腟粘膜が薄くなり、軽い刺激で出血します。
● 子宮内膜増殖症・子宮体がん
50代前後で増える疾患です。近年、子宮体がんが増えています。
不正出血がきっかけで見つかることが多いため、早めの受診が重要です。
■ 受診をおすすめする症状
以下のような場合は、婦人科での検査をおすすめします。
- 月経以外のタイミングで出血がある
- 出血が何度も続く
- 出血量が多い、貧血が心配
- 閉経後(1年以上月経がない)の出血
- 「いつもと違う」と感じる出血
不正出血の原因は、超音波検査や内診で多くが分かります。
必要に応じて子宮内膜の検査を行います。
■ まとめ
- 50代前後の不正出血は、ホルモンバランスの変化(無排卵周期)が最も多い原因
- しかし、子宮内膜の病気(増殖症・体がん)も増える年代
- 気になる出血があれば、早めの婦人科受診が安心につながります
不正出血は、体からの大切なサインです。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。