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月経困難症(生理痛)

診療時間

月経困難症(生理痛)

ガマンしないで月経痛(生理痛)

月経困難症とは、ひどい月経痛(生理痛)のことです。本来、生理はそれほど痛みを伴うものではありません。生理痛がひどい場合、月経困難症と考えられます。月経困難症は25%以上の女性に認められ、若い女性ほど多く25歳未満では40%以上に認められます。近年、思春期における月経困難症が生活に及ぼす影響について、学校の欠席・集中力の低下・学業への影響・テストで実力が発揮できないなどの問題が指摘されています。

Symptoms

月経困難症の症状

一般的に月経痛(生理痛)呼ばれる症状

月経時の下腹部痛・腰痛など

その他の症状

お腹の張り・吐気・頭痛・疲労・脱力感・食欲不振・下痢・イライラ・憂鬱など

Type

月経困難症の種類

月経困難症は機能性月経困難症(原因疾患が明らかでない)と
器質的月経困難症(明らかな原因疾患がある)に分けられます。

機能性月経困難症

特に原因となる病気がないもので、生理の初日から2日目に特に強い痛みを感じます。10~20代に多く、子宮の収縮が強く起こるために生じる痛みで、子宮が小さく硬い頸管を月経血が流出する時の神経反射による痛みや、月経に対するネガティブなとらえ方なども原因となっている事があります。しかし実際は、機能性月経困難症と思われていたものの中に子宮内膜症がかなり多く占めていると言われています。

器質的月経困難症

生理痛が長引く場合や生理後にも痛みがある場合は、何らかの器質的疾患があることが多くなります。多くは20歳代に発症し、年々ひどくなっていく傾向があります。原因疾患として多いのは、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症です。中でも一番多いのは子宮内膜症です。

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮内膜組織に似た組織が子宮周囲の腹膜、卵巣などにできる病気です。病巣にできた組織が増殖と剥離を繰り返すことで、炎症や癒着を引き起こすため、月経痛、下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛、不妊
など、様々な症状がみられます。

子宮内膜症について詳しくはこちら

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮筋層にできるこぶのような良性の腫瘍です。筋腫の位置や大きさ、個数によって、めまい立ちくらみなど貧血症状、経血量の増加、不正出血、月経痛、不妊など、様々な症状がみられます。

子宮筋腫について詳しくはこちら

子宮腺筋症

子宮腺筋症は子宮内膜組織が子宮筋層の中にできる病気です。子宮筋層の中にできた組織が月経のたびに増殖と剥離を繰り返し、月経痛、経血量の増加、出血持続日数の延長など様々な症状を引き起こします。また、病気が進むにつれて子宮筋層が厚くなり子宮全体が大きくなります。

子宮腺筋症について詳しくはこちら

Cause

月経困難症の痛みの原因

まずそもそも生理(月経)とは女性の体は妊娠するために約1か月に1回卵子を出します(排卵)。その卵子が精子と出会い受精すると受精卵になります。子宮はこの受精卵を受け入れるため子宮内膜を厚く増殖して受精卵が着床するのを待ちます。しかし、受精・着床しなかった場合、厚くなった子宮内膜は不要となり、体外に排出されます。これが生理(月経)です。
排卵・子宮内膜の増殖は、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2つの性ホルモンの周期的な増減により起こります。
痛みの原因は、増殖した子宮内膜から分泌されるプロスタグランディンです。LEP(Low dose Estrogen Progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)などのホルモン剤にて性ホルモンの量を一定にコントロールすると子宮内膜の増殖を抑えることができ、月経困難症の症状は改善します。

かつて日本では痛みをガマンする事は良い事・美徳でしたが、現代ではそうではありません。痛みは身体が発する危険信号「アラート」です。何らかの病気が隠れていることがあります。生理痛をガマンして数年後に進行した子宮内膜症が見つかり、手術が必要であった症例をみることが時々あります。

LEPなどのホルモン治療は、月経困難症の症状が改善するだけでなく、子宮内膜症を予防することができます。生理痛はガマンしないで早めに産婦人科医にご相談ください。

Treatment

月経困難症の治療

鎮痛薬

ロキソニン・ボルタレン・ポンタール・ブルフェンなど。痛くなったらガマンしないで、すぐ服用することが大切です。症状が強い人は、月経開始時あるいは直前から、6~8時間ごとに2~3日間服用するとよいでしょう。副作用として胃腸障害・胃痛などがあるので、胃粘膜保護剤も併用するようにしてください。

経口ホルモン剤

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合(LEP:Low dose Estrogen Progestin)

ヤーズ・ヤーズフレックスなど。これは女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチンの二つの成分が配合されたもので、排卵や子宮内膜が厚くなる事を抑えることによって、痛みの物質であるプロスタグランディンなどの過剰な産生を抑え、痛みを軽くします。ヤーズは28日周期内に4日休薬する周期服用タイプ。ヤーズフレックスは最長120日連続服用して4日休薬する連続服用タイプです。

プロゲスチン

ジエノゲストなど。これは黄体ホルモン製剤で、子宮内膜の増殖を抑え病巣に直接働いて病巣を小さくすることで月経痛を緩和し経血量を減少します。40歳以上の人は、LEPを使用すると血栓症のリスクがありますので、ジエノゲストがよく使われます。

IUS(Intra Uterine System:子宮内黄体ホルモン放出システムミレーナ52mg

黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システムです。子宮の中に入れて使用します。子宮内膜に直接使用して、子宮内膜の増殖を抑えることにより経血量を減少させ、月経痛を緩和します。一度挿入すると5年間効果が持続します。約20%の人では月経が起こらなくなります。何らかの理由でLEPが服用できない人や出産経験者におすすめです。

IUSについて詳しくはこちら

漢方薬

当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸など。

当帰芍薬散

血行を良くして余分な水分を体から取り除きます。足腰が冷え、貧血があり生理不順である方の月経困難症に用いられます。

加味逍遙散

体力が中等度以下の方向けです。「血」の不足を補ったり、貯まった熱を冷ますことで体内のバランスを整えます。疲れやすくイライラしたり、のぼせ感がある方の月経困難症に用いられます。

桂枝茯苓丸

体力があり、体格が良い方向けです。血の巡りをよくして下半身にまで熱をめぐらせるため、のぼせ・冷え性を感じる方の月経困難症に用いられます。

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