PMS(月経前症候群)とは
月経前の3~10日間の黄体期に、決まってイライラや気分の落ち込み不快な症状が現れ、日常生活にまで支障をきたすものを月経前症候群(PreMenstrual Syndrome : PMS)といいます。多くの場合、月経が始まると症状が軽くなり消失するのが特徴です。
精神症状が主体で強い場合は、月経前不快気分障害(Pre Menstrual Dysphoric Disorder:PMDD)と言います。
Symptoms
PMSの症状
情緒的症状 | 抑うつ(気分の落ち込み) 怒りの爆発 易刺激性・いらだち 不安 混乱 社会的引きこもり |
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身体症状 | 乳房の張り・痛み 腹部膨満感 頭痛 関節痛・筋肉痛 体重増加 手足のむくみ |
Diagnostic Criteria
PMSの判断基準
過去3回の連続した月経周期のそれぞれにおける月経前5日間に、上記の情緒的および身体的症状のうち少なくとも1つが存在すれば月経前症候群と診断できる。
これらの症状は月経開始後4日以内に症状が解消し、少なくとも13日目まで再発しない。
これらの症状は、いかなる薬物療法、ホルモン摂取、薬物やアルコール使用がなくとも存在する。
これらの症状は、その後の2週期にわたり繰り返し起こる。
これらの症状により社会的、学問的または経済的行動・能力に、明確な支障をきたす。
Cause
PMSの原因
原因は、明らかではありません。排卵がある場合、排卵から次の月経までの期間を黄体期といい、エストロゲンと黄体ホルモンが多く分泌されます。黄体期後半にエストロゲンと黄体ホルモンが急激に減少し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。排卵を抑えると症状が改善することから、黄体ホルモンが関係していることは間違いないようです。
Treatment
PMSの治療
症状の理解・生活習慣の改善
まず自分の症状を知り、PMSという疾患を理解すること。
また、規則正しい生活・規則正しい睡眠・適度な運動・カルシウムやマグネシウムやビタミンB6を積極的に摂取すること、カフェインやアルコールやタバコを控えることなどが症状を緩和させる可能性があります。
治療薬
OC(低用量ピル)・LEP(低用量エストロゲンプロゲスチン配合薬)にて排卵を抑えて女性ホルモンの変動を小さくすることで症状が改善します。
漢方薬
対症療法として加味逍遥散などの漢方薬もよく処方します。
症状が重い場合
症状が重い場合は、メンタルクリニックにて精神安定剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が処方されます。
PMS・PMDDは、まだ認知度が低く一人で悩んでいる人も少なくありません。
イライラするのも、うつになるのも、怒りっぽくなるのも、絶望的な気分になるのもあなたが悪いのではありません。黄体ホルモンのせいです。少しでもつらい症状を軽減するため産婦人科を受診して適切な治療を受けてください。