風疹とは
風疹とは、風疹ウイルスの感染によっておこる感染症です。風疹ウイルスは感染力が強く、主に感染者の咳やくしゃみなどから感染する飛沫感染です。潜伏期間は2~3週間で、主な症状は、発熱・発疹・リンパ節腫脹です。俗に「3日はしか」と言われ、3日ほどで軽快することが多いです。
Symptoms
風疹の症状
主な症状として発熱、発疹、リンパ節の腫れが認められます。15~30%は無症状です。
初期症状として、発疹が出現する1~5日前に、微熱、頭痛、倦怠感、鼻水、せきなどの症状が現れます。
発熱
38~39℃前後の熱が3~5日間ほど続きます。
発疹
まず顔、耳の後部から赤い点状発疹が現れ、その後全身に広がり、多くは3~5日間程度で消えます。しかし、25%は発疹が出現しません。
リンパ節腫脹
発疹出現5~10日前から、耳の後ろ・後頭部・首のリンパ節腫脹が数週間みられます。
先天性風疹症候群
Congenital Rubella Syndrome:CRS
妊婦が妊娠初期(16週まで)に風疹に感染すると、風疹ウイルスが胎児に感染して先天異常の赤ちゃんが生まれることがあります。これを先天性風疹症候群(CRS)といい、先天性心疾患、難聴、白内障が三大症状です。これ以外に網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などを認めることがあります。
CRSが発症する確率
妊娠1か月で50%以上、2か月で35%、3か月で18%、4か月で8%程度と言われています。不顕性感染(15~30%)で妊婦に症状がない場合もCRSが発生しうるので注意が必要です。
風疹ワクチン
風疹抗体価HI法16倍以下の人は風疹に対する抗体・免疫がないか不十分ですので、妊娠する前に、風疹ワクチンを接種しましょう。風疹抗体価HI法32倍以上の人は、風疹の感染予防に十分な抗体があると考えてよいでしょう。
※HI法:Hemagglutination Inhibition test 赤血球凝集抑制法
風疹ワクチンを接種するには1か月前から避妊してください。生理の2~5日目に風疹ワクチンを接種します。さらに風疹ワクチン接種後2か月間は避妊が必要です。
妊娠中に風疹の抗体価が低いと分かっても風疹ワクチンを接種することはできません。その場合は、妊娠16週までできるだけ外出を控えてください。特に人混みは避けてください。できれば同居の家族に風疹ワクチンの接種をお願いします。本人は出産後の1か月健診時に風疹ワクチンを接種するとよいでしょう。
妊娠出産希望の方へ
妊娠する前、できれば結婚する前に、風疹抗体検査を受けましょう。
「私は子どものころ風疹にかかったと母から聞いているので大丈夫です。」とか「子供のころにワクチンを接種しているので大丈夫です。」という話をよく聞きますが、実は、子供のころにかかったのは「はしか」や「突発性発疹」「かぜ」などであって本人や親が勘違いしていたり、医師の診断が間違っていたり、ということがあります。またワクチン接種が1回のみで抗体価が不十分であったり、時間の経過とともに抗体価が下がっていることもありますので、ぜひ妊娠する前に抗体検査を受けてください。
1979年(昭和54年)4月2日から1990年(平成2年)4月1日生まれの人は要注意!
現在は、ワクチンの効果を高めるため、1歳と小学校入学前の2回、ワクチンを接種することになっていますが、1979年(昭和54年)4月2日から1990年(平成2年)4月1日生まれの人は、接種率が低く、接種していない人が多いです。接種していたとしても1回しか接種していないので、抗体が不十分であったり、時間の経過とともに抗体価が下がっていたりするので特に注意が必要です。
※無料で風疹抗体検査がうけられます。
期間・対象者など詳細は、岐阜市ホームページでご確認ください。
※風疹ワクチン接種費用一部助成制度があります。
期間・対象者など詳細は、岐阜市ホームページでご確認ください。